カリフォルニア一人旅 ~ダウンタウン放浪事件~
さて、今回はアメリカ一人旅での実際に起きたハプニングをお伝えしていきたいと思います。
一日目はUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)へ見学に行ってきました。
アメリカでもトップを争うほどで、偏差値は東京大学を遥かにしのぐんだとか。
見学したのはせっかくアメリカまできたんだから、日本の大学とアメリカの大学の違いを実際に歩いてみて知りたかったっていう単純な理由です(笑)
今回は実際の大学がどうだったかってところは省きます。(別の記事で書きます!)
ハプニングはここから。
おおかた周れるところを周り、UCLAの雰囲気を楽しんだ僕は、Airbnbで予約していた宿へ向かおうとしていました。
夕方6時過ぎ、学生もぞろぞろと帰り始める時間です。
その日Airbnbで予約をしていた宅に向かうべく、Uberを呼ぼうとしましたが、あろうことか。
クレジットカードの登録をしていなかったんです。
アホでしたね。詰めの甘さが出てしまいました。
自分でもアメリカ旅のために計画は抜かりなくやってきたつもりだったんですが、
行きたいところの計画にばかり気を取られ、肝心な「どうやってそこに辿り着くか?」という部分に目を向けていなかったんだと思います。
そんな状況とは裏腹に、気づかない僕はエラーが出るたびに
「これは電波の問題か?」と信じて疑いませんでした。
僕はそんな凡ミスに気づかず、こないはずのドライバーにオーダーを出し続けました。
今になって考えてみれば、初めての場所で予期せぬ事態が起きて、テンパってたんでしょうね。
そして神様はさらなる試練を与えます。
IPhoneの充電が残り3%なんです。
「これではクレジットカードの登録をして、かつドライバーのオーダーを出すまで充電がもたないだろう・・・・・」
Uberを封じられ、絶体絶命の僕でした。
なぜならUCLAの周辺はダウンタウンという、夜になるとギャングなどの危険な人たちが徘徊する危険なエリアがある場所として、恐れられていたからです。
仕方なく僕は、
「とりあえず宅の住所の近くまで向かうことが先決だ。降りたらそこからは歩いて向かおう」
と、そこまで出ているバスの停留所に向かおうとしました。
しかしどのバスを乗ったらいいかわかりません。そのときたまたま校内の広場を歩いていた女性の教員に声をかけました。
「なに言ってるか、全くわからん・・・。」
僕は何度も聞き返しながら頑張って理解しようとします。
しかしそこで、そんな僕が困惑している様子を見かねたのか、
すぐ近くにいた女の子に声をかけられました。帰りのバスを待つUCLAの学生です。
「わたし日本語喋れます!」
アメリカにいてこんなにも頼もしい言葉ってあるでしょうか?
さすがは天下のUCLA。日本語ペラペラの女子大生だったんです。
彼女は僕が降りるべきところを教えてくれるそうで、バスの中で僕の隣に座ってくれ、アメリカにきてからのあれこれ事情を聞いてくれました。
その子と一緒にバスに乗った僕は事情を話し、降りたら歩いて向かうことを説明しましたが、
「ダウンタウンをこんな時間に一人で歩かないほうがいいわ。特にここらへんはとても危ないところなの!殺されるかもしれないわ!」
僕「・・・・・・。」
とりあえず近くの住所まできたので、その子とはさよならし、僕はバスを降りました。
辺りを見渡すと、刻々と暗くなっていくダウンタウンの町並み。
「ダウンタウンはとても怖いところなの・・・ダウンタウンはとても怖いところなの・・・・殺されるかもしれないわ」
あの子の言葉が僕の頭をループし続けていました。
「とりあえず状況をいったん整理しよう・・・」
このまま放浪を続けたら絶対にマズイことが起きると思った僕は、近くにあるデニーズに入って一息つくことにしました。
室内という安全区域の中でチーズバーガーセットを頼んだ僕は、こう思いました。
「一回食事でもとって、頭を働かせるんだ」
いや、もはや僕の脳にあったのは、ただ目の前にあるチーズバーガーにかじりつきたいということだったでしょう。
完全に脳が思考停止してしまっている状態でした。
すると、僕の座ってる真向かいのテーブルに、20代前半くらいの若めのカップルが座りました。
そしてiPhoneの充電は残り1%。
「くそぉ、家の住所だけはわかってるのに。くそぉ、くそぉ・・・」
「ん?住所だけは・・・・・?」
「!!」
頭に電撃が走りました。
僕は即座にリュックの中からボールペンを取りだし、テーブル横においてあるキッチンペーパーにその住所を書きました。
そしてそれをカップルのところまで持っていき、こう言いました。
「ドゥーユーノーウーバー?」
「What?」
最初は聞き返されましたが、もてる英語力を総動員して伝えました。
I wanna go to this address.But my iPhone was broken.So…
(私はこの住所に行きたい。しかし、iPhoneは壊れてしまった。だから…)
Oh okay!
僕の返事を最後まで待たず、彼氏の方は
「言いたいこと、わかったよ!」と言わんばかりにすぐさま彼のiPhoneでUberのアプリを立ち上げ、僕の書いた住所を打ち込み始めました。
そう。僕はそのカップルに出会ったおかげで間一髪、Airbnbのお宅に着くことができたんです。
帰りのUberを乗っているとき、0%になった自分のIphoneを見て、僕は夢を見ているような、幸せな気分になっていました。
「生きて帰れるんだ」と。安心していたのもありますが、それ以上に
自信がついた瞬間を実感していたんです。
異国の地でも、海外に行ったことのない自分でも、アメリカ人に困っていることを伝え、助けてもらうことくらいはできるんだと。
同時にたまたまそこで出会えた彼らにも、感謝の気持ちが止まりませんでした。
結局は僕のミスから始まったことですが、あのときはハプニングが起きてよかったと、心底思っています。
こうしてなんとか目的のお宅に到着することができました。
しかし安心するのも束の間・・・
ハプニングはまだ続きます。